新型コロナによる大減便
LCC(格安航空会社)のジェットスター・ジャパン(JJP/GK)は、2021年2月の国内線運航スケジュールについて、大規模な減便を実施しました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、運航率は計画比14.5%となり、8割以上の大規模な減便となっています。
運休対象路線
成田発着12路線、中部発着2路線の計14路線が運休の対象。
成田~高松・松山・高知・大分・宮崎・長崎・熊本・鹿児島線については、完全運休となります。
路線廃止も
それ以上に衝撃的だったのが、成田~庄内、中部~新千歳・鹿児島、関空~高知・福岡・熊本の国内6路線が廃止されるということ。
もともと利用が低迷していた路線に新型コロナで追い打ちがかかった模様です。
庄内空港にとって、JJPは初めてのLCC就航。
関西~熊本線は、一度運休していた路線の念願の復活だったりと期待されていただけに残念ですね。
報道によると、新型コロナがまん延するまでのJJPの国内線平均搭乗率は約87%。
どの路線も大きく下回る水準で推移したようです。
そもそもLCCは様々なコストをカットし、1機材あたりの座席提供数を増やすことなどによって安い航空運賃の提供を実現させているため、搭乗率は大手航空会社よりも高くないと採算は取れません。
また、同一機材を増やし、地上にいる時間をできる限り減らすため、稼働率を上げることも重要となるにも関わらず、25機まで増やした保有機材も、3機を抹消登録(売却)する(2021年2月時点)など、苦しい経営状況が伺えます。
今回レポートするJJPの福岡~成田線は、当初の運航計画では1日7往復もあったところ、搭乗した(一部地域)緊急事態宣言再発令中の2月には6往復も減便し、1日たったの1往復に。
報道では、大手航空会社の全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)ばかりが取り上げられていますが、あまり報道されることのないLCC(格安航空会社)の現状をお伝えしていきます。
大減便中の福岡〜成田線搭乗レポート
実際に乗ってきたのでレポートします!
フライトログ
遅延や急な欠航が怖かったので、JALマイルで取りたかったのに、この期間は特典航空券購入対象外でした。
とにかく定時運航で何よりです。
FLIGHT DIALOG
福岡空港国内線ターミナル
搭乗口はターミナル端側にある2番。
最近ANAやJALといった大手FSC(フルサービスキャリア)ばかり乗っていたせいか、搭乗口が遠く感じます。
ANAやJALの搭乗口は基本的に保安検査場を通過してすぐ近くにあるんですよね。
遠くてもちゃっかり制限エリア内にオープンした「ラウンジTIME/サウス」は利用しましたよ。
搭乗開始予定時刻の9時40分に到着すると、すでに搭乗が始まっていました。
搭乗口付近には搭乗を待つ大勢の乗客。
勝手に搭乗率が悪いと予想していましたが、乗客が多い予感です。
本日の搭乗機とご対面。
ジェットスター・ジャパン(GK/JJP)エアバスA320-200(機体記号14JJ)です。
運航情報を見てみると、成田〜福岡の単純往復ではなく、セントレアからやってきたようですね。
実はこの日の前日に同じ便の運航情報を見たところ、4時間もの大幅遅延。
この日も遅延しないかドキドキしていました。
オンタイムで出発できるようで一安心。
後方座席を指定していましたが、搭乗口に着いた時には搭乗が始まっていたため、今どの席が案内されているのかわからず「全てのお客様」が案内された時に並ぶことに。
機内はガラガラ?搭乗率は?
機内にはすでにたくさんの人が乗っており、アナウンスが聞こえてきました。
「本日は満席近いご予約をいただいております。」
予想とは裏腹にこの便は満席近い搭乗率のようです。
実際には空席はほとんどなく、170名以上が搭乗。
この飛行機は180座席仕様なので確かにほぼ満席ですね。
基本的にLCCはシートピッチが狭いため、窓側に座ると横に違う人が来たらかなり窮屈になることを見越して通路側にしました。
すでに窓側と真ん中席に他のお客さんが座っていたのでこれで正解。
あわよくば1列分の3席空いているところがあれば移動できたらと狙っていましたが、ほぼ満席だったためそれは叶わず。
定刻より3分早い10時02分にプッシュバック開始。
R/W34に向け、タキシングを開始しました。
通路側なので機窓からの景色を撮影できないのはやっぱり寂しいですね。
R/W34からの離陸後も安定した飛行となりました。
機内環境
安全のしおりと有料機内食メニューが入っています。
シートポケットは足元ではなく、上部にあることによって、足元を少しでも広くすることができるようです。
とは言えど、前の席がリクライニングを倒したこともあって、足元は膝が当たるほど狭いです。
ジェットスターはLCCなのでUSBポートやAC電源、機内Wi-Fiサービスはありません。
寝るかスマホやタブレットを見ている人ばかり。
ちなみに以前タイ・バンコクまでLCCで行った時は、Amazon fireに映画をダウンロードして機内で過ごしました。
成田空港LCC第3ターミナル到着
11時13分、機長から「Cabincrew prepair for landing」とのアナウンスがあり、11時18分にシートベルトサインが点灯。
11時35分に成田空港R/W34Rに着陸しました。
以前この第3ターミナルを使用していたバニラエア(VNL/JW)は、ピーチ(APJ/MM)と統合し、そのピーチは第1ターミナルを使用することになったので、この第3ターミナルの国内線を使用しているのはジェットスターと週に3便ほどしか運航していない春秋航空日本(SJO/IJ)のみ。
ちなみにこの日は、ジェットスターの11時55分発の関西行きが第3ターミナルの最終出発便。
チェックインカウンターは閉められ、ターミナル内は閑散。
すれ違うのは空港関係者ばかりでした。
コロナ禍のジェットスターの状況は?
正直なところ、搭乗率が悪いと思って購入したのにほぼ満席で驚きました。
よく考えると、ジェットスターは当初7往復のスケジュールで航空券を販売し、運休や欠航になった場合は他の航空会社とは違って返金ではなくバウチャーで返還といった対応をとっているので、運休対象便の購入者は唯一運航されたこの便に集中するのだと理解できました。
いつもマイルで特典航空券を購入して実質タダで飛行機に乗りまくってる僕にとっては痛い出費となりましたが、少しでもコロナ禍で頑張る航空業界の応援になれば嬉しいです。
以上、現場からたーびんがお伝えしました!
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