エアバンドを聞けば飛行機撮影幅も大きく広がる!
航空管制官とパイロットとの交信は航空無線を使用しており、その内容は「エアバンドレシーバー(通称:エアバンド)」という無線機を使えば誰でも聞くことができます。
まだ「エアバンド基礎知識1」を読んでいない方はお先にそちらをどうぞ。
滑走路の両端に書いてある数字
滑走路の端っこに大きく数字が書いているのをご存知ですか?
この数字が表す意味とは?
実は滑走路に描かれた数字(滑走路番号)は方角を意味しています。
東西南北を360度で表し、真北が360度(000度)として、時計回りに真東が90度、真南が180度、真西が270度と度数で示されます。
滑走路の標示では、3桁のうちの一の位の0を省いて真北は36、真東は09、真南は18、真西は27と表されています。
これは滑走路が東北東の方位070度方面に向かって伸びていることを表しています。
もちろん滑走路は一直線なので、その反対、東側から見た滑走路番号は180度正反対となる西南西方面の方位250度となるので、「25」となるわけです。
熊本空港の滑走路を360度方位に当てはめるとこんな感じ。
Google Mapで確認すると上の絵とほぼ同じ角度で滑走路があるのがよくわかるはず。
ちなみにこの数字は1つずつ読むため、「07=ゼロセブン」「25=トゥーファイフ」と読み、向かって左側から離陸(着陸)することを滑走路07(Runway 07)離陸(着陸)、向かって右側から離陸(着陸)することを滑走路25(Runway 25)離陸(着陸)と呼びます。
また、滑走路が同じ向きに2本ある場合、向かって左側はL(レフト)、右側はR(ライト)が数字の後ろに付けられます。
同じ向きにあるA滑走路とC滑走路は前述の通り、数字の後ろにレフトとライトが付けられるため、A滑走路は34L(トゥリーフォウアーレフト)と16R(ワンシックスライト)、C滑走路は34R(トゥリーフォウアーライト)と16L(ワンシックスレフト)となっています。
とても重要な風向風速
飛行機にとって風の向きとその強さはとても大事。
まずはその理由を説明しましょう。
離着陸は追い風?向かい風?
飛行機は追い風と向かい風、どちらで離着陸しているかご存知ですか?
基本的に向かい風で離着陸しています。
追い風で離着陸するとスピードが出すぎてしまうため、離着陸に使う滑走路の長さが足りなくなり滑走路を逸脱してしまう「オーバーラン」を起こしてしてしまう可能性があるからです。
スピードが出すぎた状態で勢いよく着陸すると、機体が損傷してしまう可能性もありますよね。
風の向きも360度で示す
管制官はそんな大事な風の情報もパイロットに無線で伝えています。
航空業界での風の強さはknot(ノット/kt)という単位で表し、1knot(ノット)は0.51444 m/s(メートル/秒)。
2ktは約1m/s、10ktは約5m/s、20ktは約10m/sと、ノットのだいたい半分が毎秒メートルと計算できます。
続いて、風の向きは滑走路番号と同じ360度方位で表されます。
真北から吹いている風は360からの風、真南から吹いている風は180からの風などと表現され、風速とセットで伝えられます。
真北から5ノットの風が吹いている場合
Wind 360 degrees at 5 knot
(ウィンド トゥリーシックスゼロ ディグリーズ アット ファイフノット)
西南西から25ノットの風が吹いている場合
Wind 240 degrees at 25 knot
(ウィンド トゥーフォウアーゼロ ディグリーズ アット トゥーファイフノット)
たまに省略して240 at 25(トゥーフォウアーゼロ アット トゥーファイフ)などと伝えられることもありますよ。
赤と白の吹き流し
パイロットは離着陸の際に管制官から風向風速の情報を入手しますが、風向灯と呼ばれる赤と白の吹き流しを見ることにより自分の目で風を確認することもできます。
この風向灯は滑走路の両端付近にあり、離着陸の際に風の向きと風の強さの両方を確認することができます。
鯉のぼりと同じ原理で、吹き流しが真横を向いている場合は約16〜20ノット、その半分の45度くらい傾いている場合は約8〜10ノットなどと視覚的に確認できる様になっています。
真下に垂れ下がっているとほぼ無風、真横を向いて先っぽが動いていると20ノット以上の風が吹いていることがわかります。
これはだいたい10〜12ノットくらいでしょうか。
分かりにくいところなどがあれば、ぜひコメントくださいね。
僕の愛用しているエアバンドはこちら。
もう8年ぐらい使っていますが、故障もなく長持ちしています。
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