スカイマークの副操縦士がコックピットから景色を撮影して処分された
今回、あまり嬉しくないニュースが目に入りました。
それは…
「スカイマーク旅客機で副操縦士が写真撮影 国交省が厳重注意(Yahooニュース)」
国土交通省航空局(JCAB)は1月22日、スカイマーク(SKY/BC)の男性副操縦士(24、当時)が乗務中にコックピットから景色を写真撮影し、自身のTwitterアカウントから投稿していたとして、同社を厳重注意した。2月5日までに再発防止策を報告するよう指示した。男性は副操縦士職を解かれている。
「えー…いいじゃん、操縦してなかったんだったら…」
の一言。
海外のエアラインではよく見る投稿で、僕たち一般人には見られない風景を分けてもらえてうれしいものです。
では、どうしてダメだったのか?考えてみましょう。
写真を撮りたくなるのも仕方ない
まずは当該便について、「フライトレーダー24(Flightradar24)」で調べてみました。
機体はボーイング737-800(機体記号JA73AB)ですね。
羽田空港を離陸後、スマートフォンで撮影したとされる17時30分頃はこの位置を飛行していました。
コックピットで副操縦士が座っている進行方向右側の窓からは、夕陽に照らされた富士山が綺麗に見えていたことでしょう。
スカイマークの機内客席から撮った富士山と日の出の写真ですが、↓こんな景色が見えると写真を撮りたくなるのは無理ないですよね。
今回の問題点
男性がコックピット内で写真を撮影した行為は、航空法第71条の2に定める「操縦者の見張り義務」に違反するとされています。
航空機の操縦を行なつている者(航空機の操縦の練習をし又は計器飛行等の練習をするためその操縦を行なつている場合で、その練習を監督する者が同乗しているときは、その者)は、航空機の航行中は、第九十六条第一項の規定による国土交通大臣の指示に従つている航行であるとないとにかかわらず、当該航空機外の物件を視認できない気象状態の下にある場合を除き、他の航空機その他の物件と衝突しないように見張りをしなければならない。
これに違反?って感じですよね…。
まぁ、スカイマークは2010年に、パイロット2人がコックピット内で操縦桿を持たず進行方向に背を向けて記念撮影したという不祥事があったので、より厳格にしているのかもしれません。
これは日本のルール(航空法)で決められていることだから「郷に入っては郷に従え」ととるか、「日本のルールが厳しすぎる!古すぎる!」ととるか、様々な意見があると思いますが、素人目線からすると「厳しすぎるよなぁ…」と思ってしまいます。
SNSにはコックピットビューがたくさん
海外エアラインはその辺がユルユルで、SNSで“#cockpitview”などと検索すると飛行中のコックピットからの写真がウジャウジャ出てくるんですよね。
パイロット目線のお写真を目の保養でいただいちゃいましょう♪
Approaching Hong Kong This view was captured by our Airbus A350 Captain Riku. #feelfinnair #cockpit #cockpitview pic.twitter.com/Ds6SNP9ZnC
— Finnair (@Finnair) August 7, 2020
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日本の航空会社は駐機中でも乗客がコックピットに入ることは絶対に許されませんが、海外の航空会社は到着後にお願いすると入れてくれることもあり、実際に僕も複数の航空会社のコックピットに入れてもらった経験があります。
そういうルールは世界的に統一して決められているのではなく、国ごと、航空会社ごとで違うんですね。
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