航空業界の需要激減
新型コロナウイルスの影響により、国内線・国際線に限らず航空業界の需要が激減していることは前回お伝えしました。
また、航空各社は国内線航空券について、手数料なしで予約変更やキャンセルが可能な特別対応をとっています。
それは「U/Lルール(Use it or Lose it rule)」といったものがあるからです。
U/Lルールとは?
国土交通省のホームページにおいて、このように書かれています。
混雑空港である成田・羽田空港においては、限られた発着枠の有効活用のため、各航空会社が配分された発着枠を80%以上、実際に使用しなかった場合には、翌年において、当該発着枠に対する優先権を与えない、という国際ルール(U/Lルール)(※)が適用されています。
(※)国際航空運送協会(IATA)が定めた混雑空港における発着調整のガイドライン引用:国土交通省報道発表資料
このルールがあるために、世界の航空会社は乗客がいなくても無理やり飛行機を飛ばしているんです。
特に羽田空港などの混雑空港の発着枠はとても貴重なんですよね。
U/Lルールを一時停止
国土交通省は3月16日付けで、日本発着の国際線を運航している各国の航空会社に適用している「U/Lルール」を5月末までの期間限定で停止しました。
これは今般の新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な航空需要激減を受けての措置となり、アメリカや欧州連合(EU)も、同様の一時停止を発表しています。
すでに中国路線は1月26日から、韓国線については3月1日から適用を除外しているようです。
日本では、混雑空港のうち国内線のみ運航している伊丹を除く、成田・羽田・関空・福岡の4空港からの国際線について、新型コロナウイルスの感染拡大が運休や減便の原因と認められ、加えて相互主義により、相手国においても同様に使用基準緩和が実施されることなどを条件として、U/Lルールの適用を一時停止することとなりました。
現時点では期限は5月末までとしていますが、今後の状況次第で延長する可能性があるようです。
ちなみに日本の航空局でも過去には、9.11アメリカ同時多発テロ、リーマンショック、東日本大震災、ボーイング787のバッテリー問題などが発生した時に、U/Lルールの運用を一時的に適用除外したことが複数回あるようです。
なお直近では、2018年の冬ダイヤにおいて、ロールス・ロイス製Trent1000エンジンがトラブルを起こしたことを受けて、同エンジンを搭載した787型機については、U/Lルールの適用を免除しています。
この先の航空業界はどうなってしまうのか。
早く明るい話題がほしいです。
おすすめ記事