スタッガードタイプのビジネスクラスに搭乗したのでレポートします!
このフライトでは初めての衝撃体験もしました。
少々長い記事となっていますが、なかなかない経験をしたのでご覧ください。
フライトログ
搭乗日 | 2018年1月 |
航空会社 | アシアナ航空(AAR) |
便名 | OZ112 |
出発空港 | 仁川(ICN) |
到着空港 | 関西(KIX) |
区間マイル | 525マイル |
飛行時間 | 1時間19分 |
機種 | A350-900 |
機体記号 | HL8078 |
クラス | C ビジネスクラス |
座席番号 | 6A |
搭乗レビュー
搭乗口は前便の香港-仁川便から降機した31番搭乗口の隣り、32番。
アシアナ航空 A350-900
さて、今回の搭乗機はアシアナ航空、最新鋭の航空機A350-900です。
機体番号はHL8078。
2017年4月登録なので、搭乗時(2018年1月)はまだ9ヶ月しか経っていないとても新しい機体です。
アシアナ航空に初のA350-900(HL8078)の納入を記念して、2017年4月24日にエアバスの本社、フランス・トゥールーズで式典が開催されたようです。
コックピットウィンドウの周りが黒く塗られてるのが特徴的なA350。
翼端の反り上がりや顔など全体的にシャープな印象です。
優先搭乗開始。
横から見ると結構鼻が尖ってるんですよね。
最新鋭A350-900のビジネスクラス
シートマップ
アシアナ航空A350-900はプレミアムエコノミーを採用した3クラス仕様。
ビジネス28席、プレミアムエコノミー36席、エコノミークラス247席の計311席仕様となっています。
スタッガードシート
ビジネスクラスはもちろん全席通路側のスタッガードタイプ!
そして今回の座席は6A、ビジネスクラス後ろから2番目左の窓側です。
新しい機材なだけあってめちゃくちゃキレイなシート。
モニターは大型の18.5インチ!
座って横を見るとこんな感じ。
イヤホンはもちろんヘッドホンタイプで
フルフラットになるシートはもちろん電動。
リモコンは液晶付きです。
ここで気づいたのが成田ー仁川線で乗ったA380のビジネスクラスと同じタイプのシートってこと。
モニターの大きさが少し違うくらいで、あとの設備やデザインは全て一緒でした。
ちなみに新しいA350の方がモニターは大きく、微妙にシートピッチも広いです。
ウェルカムドリンクは安定のオレンジジュースで。
定刻でブロックアウト。
さっき僕が香港から乗ってきたA330-300が隣のスポットにいました。
アシアナ航空でもかなり数が減ってきたB747もいます。
緊急事態発生
仁川空港 R/W33L 離陸!?リジェクトテイクオフ!
R/W33Lにラインアップ!関西空港に向けて離陸します!
最新鋭のA350-900は甲高いエンジン音を立てて滑走開始!
座り心地抜群のシートで余裕をかましていつも通り窓から外の写真を撮ろうとしました。
すると機体は急ブレーキ!!
たぶん速度200km/hくらいは出てたと思います。
エコノミーなら前の座席に手を付いてふんばれるのに、この広い広いビジネスのスタッガードシートでは前の座席が遥か前方にあるため、どこにも手を付くことができず、3点式のシートベルトに腹と胸がが食い込み、ものすごい衝撃!
後方座席からもいろんな物が前に飛んでくる始末。
急停止し、滑走路のど真ん中に停止しました。
リジェクトテイクオフとは
離陸中止や離陸に至るまでに3つの離陸速度があるのでここで説明してみますね。
旅客機は離陸時にV1(離陸決心速度)、VR(機首引き起こし速度)、V2(安全上昇速度)の3つの速度が設定されています。
-
V1(離陸決心速度)
旅客機が離陸滑走を開始した後にトラブルが発生した場合、離陸を中止するか継続するかを判断し、その操作を開始する速度。 -
VR(機首引き起こし速度)
離陸滑走を開始した後にこの速度(VR)に達したら、操縦桿を引いて機首の引き起こしを開始する速度。 - V2(安全離陸速度)
飛行機が地面を離れ,安全に離陸が続けられる速度。
V1(離陸決心速度)を超えると滑走路をオーバーランする可能性があるため、それまでに離陸の可否を判断しなければなりません。
停止したのは滑走路のちょうど中央付近。
仁川空港の滑走路が3750mなので離陸開始から1800m付近に停止したということ。
一般的にこのサイズのジェット機のV1(離陸決心速度)は約300km/h程度なので、これだけの距離を進んで停止したことを考えると、離陸中止を決断した時は200km/hは超えていたと推測できますね。
本当にすごい衝撃だったんですから。
滑走路のど真ん中から撮った写真。
なかなか滑走路上でこんな写真を落ち着いて撮影できませんよ。
離陸中止してから滑走路上に3分ほど停止。
なんの機内アナウンスもありません。
ぶっちゃけ不安でした。CAさん達も何が起きたかわからず動揺した様子が伺えます。
次は誘導路に移動し、また停止。
空港車両がランウェイチェック(滑走路点検)しているのが見えました。
「本当に何があったの??」って感じです。
まさかの引き返し!グランドターンバック
ハングルで何かアナウンスがありましたが、もちろん全く意味不明。
海外のエアラインではあるあるですが、ビジネスクラスには日本人CAがいないんです。
しばらくするとエコノミークラスから日本人CAさんがやってきました。
「原因はわからないんですが、一度駐機場に戻るようです。」
やっとここで日本人と話せました。
そして搭乗時と違うスポット26番に引き返し。
そう、GTBです。
一方、飛行機が一度空港を離陸してからトラブルなどにより、また同じ空港に戻ることをATB(Air Turn Back)といいます。
他に、離陸してから目的地とは違う空港に着陸することをダイバート(Divert)というんですよ。
初めてのRTO、初めてのGTB。
ボーディングブリッジが付けられましたが、整備士が入ってきただけで乗客は機内に取り残されたまま。
8時5分発ですが、何が起きたのかわからないまま時が過ぎていきます。
ビジネスではドリンクとナッツが配られました。
これこそ韓国のナッツアンドリターンですね(小声)
出発予定時刻8時5分から約2時間20分後の10時28分、再出発。
結局…
日本人CAさんが来てくれてGTBの理由を教えてくれました。
「エンジンオイルの調子悪かったからオイルフィルターを交換したようです。」と。
それだけ??と目が点になってしまいましたが、そんな小さな不具合でも大事故に繋がる恐れがありますから。
プッシュバック後、エンジンが始動すると大量の白煙。
うんうん、よくわからないですけど、エンジンは調子良さそう。
同じA350のベトナム航空のとすれ違い。こちらはシックな塗装です。
仁川空港 R/W33L 離陸
本日2度目の仁川空港R/W33Lでの離陸開始!
この光景、さっきと全く同じ。
最新鋭航空機の離陸の音や振動はとても静か。
リジェクトテイクオフに備えて体をふんばらせたものの安定した離陸となりました。
できたての第2ターミナル。
離陸後すぐに眼下に見えたのがもう一つのソウルの空港、金浦空港(GMP)。
快適なフライトの始まりです。(2時間半遅れ・・・)
A350のもう一つの特徴はこのしなやかに反り上がったウィングレット。
機内から見えるこの角度も素敵ですね。
仁川-関西線ビジネスクラスの機内食
ビジネスの楽しみのひとつ、機内食。
成田ー仁川線の機内食がとてもおいしかったので今回も期待。
さて、今回のメニューはこちら。
メインディッシュは2種類から選べます。
ここはもちろん韓国食一択ですけど!
- (左上)キノコを添えた野菜サラダ
- (上)フルーツリスト
- (中央)牛プルコギ
左下のチューブは食後の歯磨き用の歯磨き粉ではなく、コチュジャン。
お味は・・・やっぱりうまかった!!
そんなにいっぱいアシアナ航空に乗ってはいませんが、韓国食が好きなためかハズレはありません。
関西空港 R/W24R 着陸
飛行時間は1時間強のため、食事が終わるとすぐに関西空港へアプローチ。
こんなコックピットビューも見れますよ。
このアプローチコースは南風運用のR/W24。
左側座席からは地元神戸の街並みが見えるので大好きなんですよね。
神戸空港がこんなにくっきり。
昔は今とは反対に、神戸から関空に着陸する飛行機をよく見上げていました。
関西空港R/W24Rに着陸。
到着予定時刻9時40分に対し、実際の到着時刻は2時間24分遅れの12時4分でした。
遅延証明書
レアな遅延証明書は民航機ファンにとっては大切な記念ですね。笑
最新鋭で超綺麗なA350-900のビジネスクラスに2時間半程長く乗ることができたのはある意味ラッキーですね。
実はこのあと伊丹空港からの乗り継ぎがあり、降機時ゲートで待っていた係員に遅延証明書を渡されたあと入国し、急いで伊丹空港までバスで移動しました。
これまた滅多にない経験ですね。
乗り継ぎにギリギリ間に合ったから言える結果論ですが。