漫画「弟の夫」レビュー

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さて、タイトルにインパクトのある「弟の夫」。
ゲイ雑誌ではお馴染みのゲイアートの巨匠、田亀 源五郎氏の漫画です。
田亀氏を知っている方なら「えっ、大丈夫なの…!?」と思われるかと思いますが
大丈夫です!
アクションコミックスなので、どなたでもOK。

主人公はバツ1子持ちの普通の男性。
主人公の双子の弟がゲイなのですが、音信普通の間にカナダで亡くなってしまいました。
それで、カナダからその「弟の夫」、マイクが日本にやってきて…。というお話。

普通に女性が好きで、結婚をして、子どもがいる主人公が見る「ゲイ」のマイクと、
偏見なくまっすぐにマイクに「おじさんの夫=私のおじさん」として接する主人公の子ども。

「どっちが奥さんでどっちが旦那さんなの?」と聞く子どもに、
「どっちも男だからどっちも旦那さんです」と答えるマイクにハッとしました。
なんとなく、どうしても、どっちが女役、男役、とか決めて考えてしまってました。
私も、主人公も。
そういうんじゃないんですね。当たり前だけど、分からなかった。

「偏見なんてない」と思っていたのに、実際はそうだった自分に気付き、少しずつだけど本当に偏見がなくなっていく主人公の心の動きが気持ちいいです。

話の途中で入る解説もおもしろい。

もし、身内が同性愛者だったら…?
もし、友達がそうだったら…?

自分には偏見がないと思っている人や、もっと理解を深めたい人に。

「普通じゃない」=「悪」
と捉えられやすい世の中に一石を投じます。

そして、さすが田亀さん。
女の子は可愛くないけど、男のむさくるしい肉感が芸術そのものです。
弟の夫(1) (アクションコミックス(月刊アクション))
おすすめ度:★★★★★

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